大分市 暮らし
理科や科学、モノづくりが好きな生徒が通うフリースクールマイム
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理科や科学、モノづくり、プログラミングが好きな生徒が通う好きなコト、モノにとことん向き合う「理科フリースクールマイム」をご紹介します。
理科フリースクールマイムは、科学やモノづくりまたはそれに関連することが好きな生徒が通う大分のフリースクール・オルタナティブスクール(※)です。現在は中学生が9人、高校生が1人通っています。設立は2020年、今年で4年目になります。今回は、代表理事である小西忠司先生にお話をお伺いしました。
目次
マイムでは生徒たちが過ごす空間を大切にしている
安心して座れる空間・なにかしたいなと思う空間・手を伸ばすとなにかに届く空間
あなたに手を差し伸べてくれる空間・あなたの好きなことに寄り添う空間を用意しています。
ゆったりとしたソファがある「あんしんして座れる空間」
「安心して座れる空間」では、横長のソファがあり張り詰めた空気もなくゆったりとした雰囲気。ソファの横には本棚があり蔵書のジャンルは様々。小説、絵本、漫画と一緒にテクノロジーや化学の専門書が並んでいました。
科学の専門書と漫画が同じ本棚に並ぶ
「あなたの好きなことに寄り添う空間」にある棚には、整然と並べられた大工道具に電子回路や電子工具、はんだごてもあり木工作ができます。化学実験ができる精密天秤、高電圧電源、マイクロスコープなども。
本格的な顕微鏡とモニター
木工作ができる道具がたくさん用意されています
中学校の理科室や技術室にあったような道具から大学の研究室にあるような顕微鏡やモニターまであり、手を伸ばしたところに、いろんなモノがあることによってきっかけがあれば何かに興味をもつかもしれないと生徒たちの創造力が膨らむような空間です。
「休む空間」はカーテンで仕切られてゆっくりできる
また、休む空間もあり個室がカーテンで仕切られるようになっており、一人になりたかったり休憩したいときに使っています。
このように、多様な空間を作ることによって生徒たちも集中することができて自分の気持ちのスイッチを入れたり、切ったりできるそうです。
好きなことをもっとやってみたい!学ぶことを自分で決める
マイムに登校すると、「実験・観察」「工作・電子回路」「教科学習」「プログラミング」などと書かれた学習マグネットシートをホワイトボードに貼っていきます。ただ、その日のやることが決まっていなければ貼らなくてもいい。
作業台と生徒の作品棚
生徒たちは、それぞれ学校の宿題(新研究)を始めたり研磨機でとりあえず木材を削ってみたり、思いつかないから友達が木を削るのを見ていたりして各々、過ごしていました。また別の生徒は、精密な顕微鏡でビタミンの結晶を観察してそこからアート作品を作りたいと取り組んでいました。
研磨機で木材を削る生徒
ビタミンの結晶も生徒と一緒に観察させて頂いたのですが、小西先生は質問されたことに対して一緒にやってみようか、と声をかけ倍率を変えてみたり角度をかえたりと疑問に思ったことは納得できるとこまでやってみるということができます。好きなことをもっとやってみたい、通常の学校教育ではできない、触れることのない実験道具を使って、ものたりないを解消してくれます。
マイクロスコープでビタミンの結晶を観察
培養したビタミンの結晶
角度や倍率を変えて観察
個人作業も共同作業も自由。同じものに興味があれば一緒にやる、やりたいと思う気持ちを大事にする。作業を進めるのも自分たちのペースで決めていいんです。
マイムの蔵書の「ガンダムで英語を身につける本」から英語に興味を持ち始めて英会話をはじめた生徒もいます。今は、友達も巻き込んで一緒に勉強しているそうです。理科や化学に特化していますが一般的な英語や文系科目もボランティアスタッフもいるので一般学習も学べます。
個人作業も共同作業もできるスペース
理科だけじゃない、課外活動。約80人の研究者に相談も可能!
課外活動も多く、月に1回は体育館でバトミントンや卓球、バスケットボールを楽しんだり夏季は海水浴や生徒たちがつくった装置でソーメン流しをしたりお楽しみのイベントも多数あります。また、フィールドワークでは大分大学や立命館アジア太平洋大学(APU)の図書館にや大分県産業科学技術センター、別府市太陽の家の敷地内にあるオムロンや富士通など研究室や企業見学を通して最先端の科学や技術に触れることが出来ます。
生徒がプログラミングした点滅ライト
手作りのスチームクッカー
小西先生の人脈を活かした理科アドバイザーも協力してくれます。物理や遺伝子研究、防災や温泉など約80人の研究者に相談できます。理科アドバイザーがマイムに出張して実験やモノづくりのワークショップが開催されています。生徒たちの学びを刺激するアドバイザーは頼もしい存在です。
スクールであり、理科を中心とした仲間である
生徒たちの疑問や学びにとことん付き合う、一緒に考えたり調べたりしている小西先生が
一番楽しそうに見えました。「なんでそう思った?」「それ、おもしろいね!」と、生徒たちの言葉は決して否定せず、むしろワクワクしているようで、先生というか仲間・同志といった感じでしょうか。通常の学校生活における先生が指導する、教えるといった場面ではなく、一緒に学ぶひとがそこにいる。
生徒の可愛らしい作品も展示しています
生徒たちは、お互いを無理に干渉することはなく学年や性別も気にしているようでもなくフラットな関係でした。かまって無いようで、そこにいる存在はわかっている。お互いの個性を認め合い、心の向くままに自分らしくいる、そんな空間。
マイム入り口
そこには、小西先生だけではなく生徒たちもマイムに関わるひとたちが居場所を共に作り上げる空間があり、安心して学んだり休めたり、遊べる空間を創っていくこと。
子供の好きなことを伸ばしてあげたい、とことんやらせてあげたいと、興味がある方はぜひ見学されてみてください。
理科フリースクールマイム 基本情報
アクセス
JR高城駅より徒歩5分
授業料
通い放題コース 26,000円
水・土・日・祝日以外の登校日は通い放題です。
月8回コース 19,000円
月・火・木・金曜日を週2日選べます。祝日や都合の悪い日は振替も出来ます。
登校日
水・土・日・祝日以外
いつ来ても、いつ帰ってもOK
年末年始・GW・お盆はお休み
定員
中学生、高校生合わせて10名ほど
出欠扱い
在籍中学校の学習指導要綱上の出席扱いです。
※ 正確には、各学校の校長先生と保護者様との交渉が必要となるようです。
見学方法
見学は随時受け付けており、受け入れの方針としては
・学ぶ意欲のある
・理科やモノづくり、それに関連することに興味がある
それに基づくことが条件になります。
本人、保護者のみ、小学生、教育関係者、福祉施設の方もお気軽にお問い合わせください。
受け入れ対象(年齢)
現在、小学生の受け入れはしておらず原則として中、高校生のみですが小学5、6年生を対象に月1回のペースで「マイム科学創楽クラブ」として活動しています。「学校以外を学びの場所」として選択している児童のみです。クラブ入会前には見学と受け入れ方針を確認をお願いしています。