大分市 おでかけ
子どももママも、そして先生も毎日通いたい保育園でありたい。大分市保育ママの「ちゅうりっぷ保育室」
- 家庭的保育事業(保育ママ)とは
- 公立幼稚園の元教諭だった先生が10年経って築きあげた理想の保育のかたち
- 友達よりも深くより家族に近い、硬く結ばれるそれぞれの絆
- 乳幼児の心の発達にとって大切なこと
- 笑って泣いて怒って築く子ども達の絆
- まるで母の母?桂子先生の大きな存在
- ママに寄り添った負担の少ない準備物
- 基本的に日々持参するものは肌着やタオルにお食事エプロン、あとは時々オムツのみ
- 連携園である「もみの木保育園」が毎日持ってきてくれる出来立ての給食
- 基準を超える十分な安全対策
- おじいちゃんおばあちゃんも喜ぶイベントの制作物の数々
- 卒園後も入園枠が確保されている連携保育施設
- 1日のスケジュールと施設概要
- 一日の流れ
- 施設概要
- 必要物品
- おわりに
キッズ
大分市金池にあるマンションの一室に施設を構える大分市認可保育施設のちゅうりっぷ保育室。家庭的保育事業(保育ママ)であるこの施設は、家庭保育の延長線として心の通う温かい雰囲気の中、子どもたちの成長を保護者とともに支えたいと、管理者である「桂子先生」の思いがたくさんつまった場所でもあります。
集団ではなく個別の愛着形成が必要な低年齢の子ども対象だからこそおすすめしたい保育園の一つとして、実際の利用者である筆者の体験談とともにご紹介します。
施設の概要は一番下に掲載していますので、スクロールしてご覧ください。
こんな保育園に興味がある方向けの記事です
・大人数よりは、少人数でアットホーム、1人1人をしっかりみてくれるところに預けたい
・日々の準備物が少ない保育園を探している
・子育てに不安を抱いている保護者の方
目次
- 家庭的保育事業(保育ママ)とは
- 公立幼稚園の元教諭だった先生が10年経って築きあげた理想の保育のかたち
- 友達よりも深くより家族に近い、硬く結ばれるそれぞれの絆
- 乳幼児の心の発達にとって大切なこと
- 笑って泣いて怒って築く子ども達の絆
- まるで母の母?桂子先生の大きな存在
- ママに寄り添った負担の少ない準備物
- 基本的に日々持参するものは肌着やタオルにお食事エプロン、あとは時々オムツのみ
- 連携園である「もみの木保育園」が毎日持ってきてくれる出来立ての給食
- 基準を超える十分な安全対策
- おじいちゃんおばあちゃんも喜ぶイベントの制作物の数々
- 卒園後も入園枠が確保されている連携保育施設
- 1日のスケジュールと施設概要
- 一日の流れ
- 施設概要
- 必要物品
- おわりに
家庭的保育事業(保育ママ)とは
家庭的保育事業(以下保育ママ)とは、保育者の自宅もしくはその他の場所にて、3歳未満の少人数の乳幼児を対象とした保育事業です。保育ママとして開業するには、保育の資格をもった管理者が様々な実習や研修を経て行政の厳しい審査をクリアすることが必要です。小規模保育であり家庭に近い環境で、よりきめ細かい保育を提供できるなどメリットがあります。現在大分市の保育ママ施設は令和6年度時点で7つ運営されています。
公立幼稚園の元教諭だった先生が10年経って築きあげた理想の保育のかたち
室内遊びの様子
ちゅうりっぷ保育室の管理者である村上桂子先生(以下 桂子先生)は公立幼稚園の教諭として13年務めた後に保育士を経て現在の施設を開設されたそうです。そして桂子先生自身も、フルタイムで働きながらお子さん2人を育て上げたママでもあります。
幼稚園の教諭時代は日々タスクに追われ子ども達と一人ひとり心を通わせる余裕がなく、子ども達の日々の様子を保護者の方に十分伝えることができないもどかしい日々を過ごしたそうです。
そして、2人目のお子さんが生まれたタイミングで仕事を一旦辞め、子育てに専念するも子どもと一対一で向き合う子育ての難しさを痛感。保育士として仕事復帰した後もワンオペで大変な中、お子さんの預け先の保育園の先生達と積極的にコミュニケーションを取り、子育て共同体として頼る必要性を感じたんだとか。
子育てにおいて両親をはじめ、祖父母も保育者も色んな周りの人を巻き込んで協力して保育できる環境を作りたい。そんな思いがずっと消えなかったそうです。
そこで出会ったのが、当時大分市が募集していた保育ママ事業。試行錯誤しながら今年開園10周年を迎え、新たな先生方も加わり、桂子先生の理想とする「子どもも保護者も先生も通いたい保育園」に近づいてきました。
友達よりも深くより家族に近い、硬く結ばれるそれぞれの絆
散歩の様子
保育ママの最大のメリットは、信頼関係のおける同じ先生が毎日見てくれることです。管理者である桂子先生が毎日対応してくれるため、保育園であった事、自宅での様子で困っている事から体調まで全て把握してもらえることで、安心して預けることができます。
乳幼児の心の発達にとって大切なこと
0~2歳の心の発達において愛着形成が大切なことの一つと言われています。身近にいる人からの深い愛情を感じることによって信頼感や安心感を経て人間としての土台が形成され、その後の心の発達や人間関係に大きく影響を及ぼすそうです。
子ども達にとっても保育園ではなく、桂子先生の家に来ているという感覚だそうで、お迎えが最後になった子が桂子先生に「〇〇が帰ったら先生一人?大丈夫?」と心配してくれるのだとか。その様子も可愛らしいそうで、子ども達にとってはまるでおばあちゃんの家に来ているようなそんな感覚でいいのよ、と桂子先生も言われます。
笑って泣いて怒って築く子ども達の絆
クリスマスの制作物であるまつぼっくりを色塗り中
ちゅうりっぷ保育室では、0~2歳の異年齢の子ども達が同じ空間で、まるできょうだいのように過ごします。
その中でも子ども達は不思議と年下年上がそれぞれ分かっていて、一番上はお姉さんお兄さんのように振る舞い、真ん中の子は下の子には強く出ても上の子には素直に従う、末っ子はみんなに甘えるという家族のような関係性が築かれます。もちろん喧嘩もしますが、誰かがぶつかるともう一人が味方になったり、深い絆ができるそうです。
その点、卒園で離れる時はお互い「ロス」状態がしばらく続くそうで、今後の課題でもあると桂子先生は言われます。それでもロス状態になるほど、お互い近い存在として結ばれた絆は別れの寂しさも含めて、子ども達の心に刻まれてまた大きく成長していく一歩になるのだろうと私は感じました。
まるで母の母?桂子先生の大きな存在
日々の子ども達の様子はもちろんですが、母の様子まで気にしてくれる桂子先生。実際に私の書く連絡帳には半分は母の嘆きが書かれているように思います。
ワンオペで誰も頼れない状態だった私にとって、半泣きで桂子先生に子どもを預けて病院に行った日も、忙しすぎて疲れてごはんが作れないと泣きついた時も、桂子先生はじめ他の先生も親身になって子どもの食べられる総菜を探して画像付きで教えてくれたり、思い返せば普通の保育園でこんなことをしてたら煙たがられるのでは、ということばかり。
私だけでなく他の保護者の方ももちろん、卒園生も代わる代わる遊びに来るそうで、卒園生の保護者の方からも相談を受けることもあるとか。保育者であり、ワーママでもある経験豊富な桂子先生こその環境です。
ママに寄り添った負担の少ない準備物
ちゅうりっぷ保育室では桂子先生の経験から、少しでも保護者の負担を少なくできるよう配慮されています。
基本的に日々持参するものは肌着やタオルにお食事エプロン、あとは時々オムツのみ
貸与してくれる体操着やかばん、オムツ入れなど
詳細は下記に載せていますが、基本的に園で使用する服とカバンやオムツ入れの袋などは貸与してくれます。
お昼寝用の敷パッドや毛布は、入園時に渡すことで洗濯から管理までしてくれるので持って帰る必要はありません。園で服が汚れた時も、新しい体操服に着替え汚れた服は園で洗濯。夏場はベランダでプールを毎日のようにしてくれますが、その水着も預けることでその都度洗濯して夏の間保管してくれます。オムツも袋ごと預けるため記名の必要がありません。保育ママの特性上、使用後のオムツは持って帰る必要がありますが、汚れものも下着やタオル以外ありませんのでさほど負担にはなりませんでした。
お昼寝の際はズボンのみパジャマに着替えますが、パジャマも園が準備したものの中から本人が選んで着ます。また寝る時にはスリーパーまで着せてくれるのですが、これもまた園が準備してくれたものです。
連携園である「もみの木保育園」が毎日持ってきてくれる出来立ての給食
栄養たっぷりの給食
ちゅうりっぷ保育室の連携保育施設の一つである「もみの木保育園」。ちゅうりっぷ保育室では、もみの木保育園で作られた給食をもみの木保育園が毎日届けてくれており、出来立ての給食を食べることができます。
もみの木保育園の給食は、毎月栄養士がカロリー計算し栄養管理された献立のメニューを自園で調理されています。材料も地産地消を心がけた薄味の食事であり、お米も無農薬あいがも玄米と金芽米のブレンドされたものを提供するなど、妥協せず美味しさにこだわって作られているそうです。
また栄養たっぷりの食事を、子ども達が食べるまで根気強く見守り食べさせてくれるため、自宅で多少栄養が偏ったごはんでも、「まあいいか」と思える母の心強い免罪符です。
おやつは、既製品のものになりますがちゅうりっぷ保育室が準備してくれ、コープの商品や体に優しく栄養が取れるお菓子が様々準備されています。時にはお菓子バイキングもあり、子どもの好みに応じて対応してくれます。
基準を超える十分な安全対策
認可保育施設ですので、もちろん安全管理も万全。本来保育ママの職員配置は子ども5人につき2人とされていますが、ちゅうりっぷ保育室は安全第一と考え、できる限り職員が3人付くよう配置されています。
保育施設であるマンションも一室全て保育施設となっており、ドアの隙間一つから段差、ゲートの隙間など一度でもヒヤリとした箇所は全て対策されているそうで、市の定める基準以上の安全対策を取っています。お散歩に毎日連れだしてくれますが、散歩先の地面がざらざらになっている場所など必要に応じてキャラクターの付いた膝のサポーターまで着用することも。
園を利用中にできた傷は、たとえ小さなものでも必ず報告してくれます。安全を守るためでも、叱らなくて良いことで叱ることがないよう対策を心がけているそうです。
おじいちゃんおばあちゃんも喜ぶイベントの制作物の数々
お誕生日パーティーの玄関の飾りつけ
基本的に卒園式以外保護者が同席するイベントはありませんが、その分制作物などはどこの園にも負けないほど力を入れています。特におすすめしたいのがお誕生日会とハロウィン、そして父母や祖父母の日です。お誕生日の飾りつけはまさにホームパーティーのようで、主役には髪飾りなども準備されており、子ども達も心待ちにしているイベントです。
ハロウィンパーティーの様子
ハロウィンパーティーでは先生方手作りの衣装を着て仮装し近所を周るのですが、衣装のクオリティの高さに毎回驚きます。
祖父母宅へ郵送された先生と子ども達の制作物
また父の日母の日、祖父母の日も記念となる制作物を準備してくださり、祖父母には郵送までしてくれるため、私自身の普段できていない親孝行の機会となりました。
卒園後も入園枠が確保されている連携保育施設
保育ママを検討される場合、気になるのが卒園後の進路ではないでしょうか?3歳を迎えた4月には転園する必要がありますが、連携保育施設をもつ保育ママでは連携園に席が確保されており、エスカレーター式にそのまま入園することが可能です。もし連携園以外に希望する園がある場合は、再度市の選考を受ける必要がありますが、保育ママからの転園の場合加点があります。
ちゅうりっぷ保育室は、賀来にある「もみの木保育園」と岩田町にある「きらきら保育園」を連携保育施設としてサポート体制を取っています。ちゅうりっぷ保育室がやむを得ない事情で保育できない場合など、連携保育施設にて代替え保育を提供したり、行事などの参加を通じて、集団保育の体験をすることもできます。
きらきら保育園はちゅうりっぷ保育室と比較的近い場所にあり、もみの木保育園は待機児童も多く人気の園です。
ちゅうりっぷ保育室のように保育ママを検討する場合は、同様に連携保育施設も確認しておきましょう。もし、保護者の方が希望する園に転園する場合は、タイミングによっては入園が難しい場合もありますので、その点は考慮しておく必要があります。
1日のスケジュールと施設概要
クッキングの様子
一日の流れ
7:30 順次登園
9:10 片付け
9:20 トイレやおやつ
9:35 朝のお集まり
9:50 散歩。若宮八幡や萬壽寺、ボードウォーク広場、大友氏館跡庭園
10:50 着替え
11:00 室内遊び
11:30 給食
12:30 順次お昼寝
15:00 起床
15:20 おやつ
15:40 室内遊び
16:00 順次降園
施設概要
必要物品
毎日持ってくるもの:ひも付きタオル、通園バックとオムツ用バック(貸与あり)、食事用エプロン1枚
保育室に預けておくもの:紙おむつ、レジ袋(使用済オムツ入れ)、ビニール袋(汚れた衣類を入れる)、着替え(靴下1足、下着シャツ2枚)、敷きパッド、子ども用毛布、流せるおしりふき、ティッシュ、フェイスタオル、ウエットティッシュ、マグマグ・哺乳瓶(コップのみができない場合)
※ 施設情報や必要物品はその年によって変わることもありますので、詳細は直接問い合わせてご確認ください。
おわりに
お散歩の一コマ
先日開園10周年を迎え、在園児から歴代の卒園児まで招き、延べ80人以上もの方がお祝いに駆けつけ記念イベントを終えたちゅうりっぷ保育室。桂子先生は開園からこれまで、病休で休んだのはたった一回だけです。プライベートも多く削られる中、好きだからこそ続けられるのだとか。
心の通う保育は、不安定な未来を生きる子どもたちにとって、前に進み続ける揺るぎない心の支えの一つになると思います。
そして、多くの不安を抱える保護者の方にも支援が必要です。色んな人を巻き込んで協力しながら子どもたちを守り育てていく。桂子先生のそんな思いが多くの人の支えになることを願い、同じように悩む保護者の方にお勧めしたいと思います。
気になる方は実際に見学の上、園の雰囲気をぜひ感じてみてください。